総括黒田総裁

10年間の任期を終えた日銀黒田総裁。各方面から評価され、また酷評された総裁として記憶に残るのではないでしょうか。ある経済ウォッチャーの黒田総裁総括が印象的で覚えています。

  • これだけ金融緩和をしても物価目標未達ということを証明した10年間

とまとめたのです。日銀がこの10年間で市場から買い上げた国債は960兆円あまり。現在保有している長期国債は10年前の6倍の570兆円ほどまで膨れています。発行済み国債の50%超を日銀が保有している異常事態。でも物価目標は未達だった。現在のインフレが続いていますがコストアップインフレなので給与上昇による物価上昇ではないので目標未達となっています。(日銀はインフレは弱まると予想しているのです)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB066GN0W3A400C2000000/

実験台の日本

バブルが弾けてから日本は世界中から注目されていました。対処方法が世界初であり、結果がどうなるのか世界中から注目されていたのです。この10年間の黒田総裁についても同様です。下記コメントにもありますが
・革新的
・傑出した中央銀行総裁
と黒田総裁が評価されているのです。しかし、下記コメントには、「ほぼすべてのアイデアを強力に採用したが・・・効果が見られなかった」という側面でも見られているのです。世界中から見れば、日本のような施策は採用しても効果がないと判断されていくことでしょう。

国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミスト、ケネス・ロゴフ氏は「黒田氏は極めて革新的であり続けた傑出した中銀総裁として評価されるだろう」と指摘。「黒田総裁率いる日銀は、インフレ期待の喚起で考えられるほぼ全てのアイデアを強力に採用したが、最近まで効果が見られなかった」とも話す。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-04-05/RSKYG1T0AFB401

まとめ

黒田総裁の評価は今後の歴史が証明していくことになります。それが今年2023年になるのか、2024年になるのか、10年後になるのかはわかりませんが、時間差で評価が定まると感じます。10年間一貫性があり、ブレずに進捗させたという意味では分かりやすい総裁だったと思います。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆