決定打のない社会課題

まだ解決策がほとんど見られない課題が世の中にはあります。その中で、解決策は複数示されていますが決定打がないと個人的に感じている課題が2つあります。それは下記の2つ。

  • 空き家問題
  • 事業承継問題

それぞれに課題のポイントは違いますが、あと数年すれば空き家にしろ、事業承継にしろ数が爆発する可能性があります。ゆくゆく、この2つの課題を解決することはできるのでしょうか。

施策と仕組みはすでにある

このような大きな課題はすでに解決のための施策が公開されています。仕組みとして整備されていることもあります。しかし、施策や仕組みが機能する機会は少ないのが現状です。そこには原因があるのです。

これが原因で反対もしくは先延ばし

時間をかけてヒアリングをして確認してきました。たとえば空き家問題。なぜ空き家を放置しているのか?聞いてみると、なるほどと感じる理由があったのです。

  • 実家が空き家になった。片付けようとしたら兄弟(姉妹)から止められた(実家が消滅することへの喪失感を感じている)。なので、たまに行って空気の入れ替えをしているくらい。荷物を置いておく倉庫として活用している程度。この先のことは考えたくない。

まとめると上記のような代表例になるでしょうか。売却や賃貸にして収益を得る必要がなければ、何もしないことを選択をしています。親族内でのトラブルを避けることを優先しているのです。兄弟間(姉妹間)では感情が先走りやすいので、なかなか冷静な話し合いになりません。第三者を交えて話し合うほどでもないので、とりあえず先延ばしにしておこう、となっているのです。

感情ほど

実は感情が起点になっているときほど解決に時間がかかります。論理的な内容で合意形成しながら進めることができないからです。「ダメなものはダメ」「イヤなことはイヤ」と主張し続けるからです。そうなると時間が解決するのを待つしかないケースもあります。数年かかることになります。ときには10年単位で時間がかかることがあるでしょう。

適任がいない

事業承継に関しても「後継者候補がいない」と言われることがあります。適任の人がいない。無理に継がせたくない。苦労させたくない、といった声も聞こえてきます。閉業・廃業が増えていますが、今後もその傾向は変わらないでしょう。ここも先送りだけしているだけであり、解決への緊急度が低いのを実感しています。経営者の平均年齢は年々上昇しているので、閉業廃業が一気に増加するタイミングも来ると予想しています。

まとめ

理屈より感情が優先される領域では解決が進まない。先送りが可能で緊急度が低い内容だとさらに解決が遠のいています。解決にはワンストップで相談でき、かつフラットな意見や判断を伝える人の必要性を感じます。まだ時間がかかりそうです。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆