創業者のエピソード
創業者の方と話す機会は他の人に比べて多いです。その一対一の会話で、その人がビジネスを始めた背景や動機、そして何よりその人が経験した数々のエピソードを聞くことができるのは、私にとって非常に充実した時間です。エピソードはそれぞれ特色があり、特に苦労した時代のエピソードは劇的な内容が多く、それを聞いていると時間があっという間に過ぎてしまいます。
今ではありえない
エピソードの中には、ミーティングが深夜に始まった内容や、新しいビジネスを展開する時の判断基準が単に勢いだけだったというエピソードなどがあります。一見すると、そのような経営判断は無謀に見えます。しかし、その背後には、確率の高い選択をしっかりと選び取る洞察力があったり、交渉スキルが自然体になっていたりと、高度なビジネスセンスと経験が反映されています。通称「経験とカン」と呼ばれる領域です。
また、「このままではダメだ」と感じたときに思い切った決断を下す力も、創業者たちが持つ強さの一つだと思います。エピソードの中にはそのような決断の瞬間も多く含まれており、その度に創業者の強さを改めて感じます。今では大手企業になったベンチャー企業も「2回だけ本当にダメだと思った時期があった」と語っています。
特有能力
ゼロから事業を作り上げてきたため、アクシデントが発生しても、乗り越えることしか考えない思考回路と行動力が自然発生的になっているのが特徴。そのため、どんな困難に直面しても必ず解決策を見つけ出し、前に進んでしまいます。自動解決マシーンのようです。反射的に前に進んでいるので、何かが発生しても躊躇しないのが普通です。これを「慣れ」と呼んでいる人もいます。しかし、長年の習慣がそうさせているのでしょう。
ここで創業者特有の能力を抜き出してみます。
- 持久力
- 先見性
- アクシデント対応力
- 察知力
- 素早い決断
といったところでしょうか。言葉で表現できない能力もあるので、事例でしか語ることができないと感じます。
まとめ
このような創業者のエピソードを聞くことは、知識や理解を深めるだけでなく、創業者の人間性や経験を通じてビジネスの本質を学ぶ貴重な機会。今後も、これからもそんなエピソードをたくさん聞く機会があると思うと、今から楽しみでなりません。
——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆