中小企業を応援する5つのガイドライン
スタートアップを増やそうという国の流れがありますが、その一方で中小企業の成長も重要だと方針が出ています。中小企業が成長するために経済産業省が応援する5つのガイドライン、報告書が公開されています。
コロナ禍からの回復、人口減少、GX・DX等の構造転換が進む中、日本経済の更なる成長実現には、中小企業の成長が重要です。経済産業省は、成長に向けて挑戦する中小企業を応援する5つの報告書・ガイドラインを公表します。
https://www.meti.go.jp/press/2023/06/20230622001/20230622001.html
概要
概要をさらにまとめると下記のような内容になります。
- 日本の経済・社会構造の中長期的な変化(人口減少や新たな価値規範による需要構造・ビジネス環境の変化等)や、近時の変化(コストアップ・賃上げ要請等)を踏まえ、中堅企業クラスに匹敵する売上高100億円規模の「100億企業」を創出することが目指す
- 我が国には、スタートアップの起業家だけでなく、中小企業の経営者(創業者ではない2代目以降の経営者も含む)が、自らの企業を地域・日本を代表する中堅企業・大企業へと成長させた事例が存在。多くの中小企業には、そのような潜在的可能性がある
- 政府は、将来的に「100億企業」へと成長することを目指し、挑戦・自己変革への意欲を持つ中小企業の経営者、そして、中小企業の経営と成長に新たに関与したいと考える人々を支援すべき
- 中小企業が地域・日本を代表する中堅企業・大企業へと成長し、域内経済の牽引・外需拡大に貢献している例がある
- 「売上高100億円」というのはあくまで一つの目安であり、厳密な基準ではない
解説
日本の経済・社会環境は、長期的な視点から見て大きく変わりつつあります。人口減少、新たな価値規範の浸透、需要構造の変化、そしてビジネス環境の変革など、これらの変化は企業の経営に大きな影響を及ぼしています。近年では、コストアップや賃上げ要請などの課題も増え、中小企業を取り巻く環境は厳しさを増しています。
そうした中で、日本の中小企業が次なるステップへと進むべく、「売上高100億円企業」への成長を目指す動きが見受けられます。ここで言う「100億企業」とは、中堅企業クラスに匹敵する規模の企業を指します。そして、この「100億企業」への成長を果たすことこそが、現代の中小企業が目指すべきゴールのひとつとして提示されたのです。
ひとつの目安だが
スタートアップの起業家だけでなく、中小企業の経営者たちが自社を地域、あるいは日本全体を代表する中堅企業・大企業へと成長させるという事例が存在します。創業者だけでなく、アトツギ社長によっても実現されています。中小企業には、そのような可能性があるのです。
政府の役割としては、このような中小企業の自己変革と挑戦の意欲を持つ経営者を支援し、企業の成長を後押しをする予定。さらに、中小企業の経営と成長に新たに関与したいと考える人々に対しても支援を提供していくでしょう。
ただ「売上高100億円」というのは一つの目安であり、厳密な基準ではありません。大切なのは、企業が自己変革の意欲を持ち、経済・社会環境の変化に対応しながら、持続的な成長を遂げること。そしてその過程で、企業が地域社会や日本全体への貢献を果たすことができれば、その価値は計り知れません。
まとめ
期待するのは、成長を目指す中小企業が増えていくことです。この世に残るべき企業が成長していくことが個人的な理想です。必要とされる企業が残ってほしい。そう願っています。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆