見直されている
古典的な計算ツールである「そろばん(珠算)」が再び脚光を浴びています。一見、デジタル化が進む現代社会でのそろばんのブームは意外に思えるかもしれません。個人的にもそう感じました。しかし、その背後には多くのメリットが隠れているようです。
珠算は個人的な思い入れがあり、学生時代かなり時間を投入しました。日本一を排出する珠算塾に通っていたので、単なる昇段試験だけでなく、競技会にも参加したことがあります。段保有者にも入ることができましたので、当時としてはいい経験でした。そのため、今から「そろばん」が見直されることについては検証したいという気持ちが大きいです。
集中力を鍛える
そろばんを使うことで、集中力が鍛えられるのは明らかです。一つ一つの玉を動かしながら計算を進める過程で、注意力や集中力が要求されます。特に、複雑な計算を行う際には、一つのミスも許されないため、集中を強いられます。集中できないときほど、ミスが多いのも経験済み。特に暗算は頭の中でそろばんをイメージして動かしていくので、集中できないときはイメージもあいまいになってしまうのです。
心の安定と落ち着き
また、そろばんは木製なので、動かすリズミカルな動作は、心を落ち着ける効果も持っています。玉の音や、その動きに集中することで、日常の雑念から解放され、リラックスすることができます。スタートする前に静寂さもあるので、精神統一の時間を強制的につくることになります。それがかえって落ち着きとなることがあるのです。
タブレットでの暗算トレーニング
現代の技術とそろばんの組み合わせも見逃せません。タブレットを使用したそろばんのアプリが登場し、暗算のトレーニングがより手軽になりました。これにより、そろばんの技術を磨く壁が低くなったのは確かです。タブレットアプリとの相性もよかったのでしょう。ゲームの感覚で取り組みができるのが特徴となります。
頭の中でのイメージ作成
そろばんを使うことで、頭の中にそろばんのイメージを作る能力もかなり鍛えられます。これは、脳の活性化や思考力の向上にも寄与するでしょう。具体的なそろばんの動きを頭の中でシミュレートすることで、脳の柔軟性や想像力が高まるのです。暗記力も上昇するのは経験したことがあります。数字として覚えるのではなく、そろばんをイメージすれば電話をしながら会話の中で出てきた電話番号を短期記憶することが可能です。同時にメモをする必要がありません。他には、会員番号などの数値を記憶してしまう習性もあります。無意味なのですが会員番号を記憶してしまっていることは1件2件ではありません。
まとめ
デジタル技術が進化する現代においても、そろばんのような古典的なツールが再評価される背景には、その持つ独特の魅力と効果があります。現代の生活に疲れた心と脳をリフレッシュし、同時に鍛え上げるために、そろばんを取り入れてみるのもいいでしょう。気分転換になると思います。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆