先なのか後なのか

経営では後追いはリスクとみなされます。後手に回ることで機会損失が発生するからです。だれよりも先に試した方が正解を引きやすいと考えられています。その一方で、待つことの方が良いと考える戦略もあります。なぜなら、失敗が少ないからです。最近も典型的な事例が出てきています。日銀の対応です。マイナス金利解除などについて、「いつ行うのか」メディアは騒ぎ立てますが日銀の中では「待つことのリスクの方が少ない」と判断しています。なぜなのでしょうか。

待つことのほうが

待つことのリスクの方が少ないと考える日銀。積極的に施策を打って失敗するならば、待つ方がリスクが少ないと考えています。失敗したくない優等生の理論、責任逃れとも解釈できる選択だと言われたりもします。この根底には、日銀の役割は通貨の安定的な供給であり、景気対策をする部門ではないという意識もあるのでしょう。為替対策に対してもそうてすが日銀は積極的に動くことはありません。官僚から名指しで為替対応を迫られたりもしてますが、我関せずだと感じます。また、過去に積極的に施策を打って失敗した事例があるので、同じようなことをしたくないのでしょう。

ビジネスにおいて待つこと

ビジネスにおいて待つことはありますが、それは「先回りして待つ」ことを指しています。先回りして待つときは、投資が必要ですが、リスクは限定的です。大きなリスクは発生しません。投資しただけがリスクになります。待つ期間は時流が来るまでなので、数年かかることもあります。しかし、大きなチャンスを待つことなのでプラス要素です。消極的な姿勢ではありません。

加点か減点か

加点主義と減点主義の違いを感じます。減点主義の世界はリスクの低い方を優先にしがちです。加点主義の場合は、先回りしてある程度リスクを取りながら進めていくのを優先します。求めている先の違い、目的の違い、目標の違いによって、加点主義、減点主義のどちらかに偏るのでしょう。

まとめ

待つという行為にも2通りあることがわかります。ただ、真逆の姿勢だと感じます。どちらが良いのか明確な区別はできませんが、将来を先回りする方がビジネスでは有益になると考えています。時代は動くので、過去のセオリーでリスクを減らしても失敗することもあります。冷静になればなるほど、失敗することもあるので、将来を予測することを軸にして判断したいと思います。

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