チームの意思決定は大丈夫か

ミーティングやチームでの話し合いで、
「なんとなく反対意見を言いにくいな」
「みんなが賛成しているから、まあいいか」
と感じた経験は、あるのではないでしょうか。その背景には、「集団浅慮(しゅうだんせんりょ)」、英語で「グループシンク(Groupthink)」と呼ばれる心理現象が潜んでいるかもしれません。この現象は、チームや組織における意思決定の質を著しく低下させる危険性をはらんでいます。

集団浅慮(グループシンク)とは何か

集団浅慮とは、集団としてのまとまりを重視するあまり、個人が他の可能性を十分に検討することをやめてしまい、結果として質の低い意思決定に至ってしまう心理状態を指します。ミーティングで意見が数多く出ることは良いことなのですが、まとめるときにすべての意見を取り入れようとして、平凡な結論にたどりついてしまうのです。その結論なら、話し合いは必要なかったのではないか、と感じてしまう瞬間です。

集団浅慮の兆候

では、どのような状態が集団浅慮に陥っているサインなのでしょうか。くつか兆候があります。まず、
「自分たちは間違わない」
という過剰な自信や楽観主義が見られます。そのため、自分たちの決定にとって都合の悪い情報や警告を軽視したり、無視したりすることも出てきます。また、「自分たちの目的は正しいのだから、手段や倫理観は問題にならない」と思い込むこともあり、そのような態度や判断が兆候のひとつなのです。

起こりやすい状況

集団浅慮は、特定の条件下で発生しやすくなります。まず、メンバー間の結束力が非常に高い、いわゆる「親密なグループ」は、異論を唱えにくい空気が生まれがちです。加えて、集団の構造的な問題も影響します。リーダーが最初から強い意見を持ち、特定の方針を押し進める場合は、集団浅慮のリスクが高まります。上下関係が厳しいチームも同様です。さらに、外部からの強いプレッシャーや時間的制約といったストレスの多い状況は、冷静な判断を難しくし、安易な合意形成へと向かわせる要因となることもあります。

最適な意思決定へ導くために

集団浅慮は避けられない現象ではありません。意識的な対策によって、そのリスクを大幅に減らすことが可能。いつも、チームのための創造的な発言が飛び交う雰囲気づくりが欠かせません。「こんなことを言ってもいいのかな」と思わせない空気が必要なのです。ビジネスにおいて、最適だと思う意見が発言できる状態に日頃からしておくことがポイントでしょう。

集団浅慮を防ぐためのキーポイント

  • リーダーは中立性を保ち、多様な意見を引き出す
  • 批判的視点をむしろ奨励する。意図的に反対意見を引き出す
  • 異論を歓迎するオープンな文化を醸成する
  • 年齢や経験年数に関係なく発言できる状態にする

まとめ

集団浅慮(グループシンク)は、どんなチームにも起こりうる意思決定の落とし穴。そのメカニズムと兆候を理解し、意識的に対策を講じることで、チームはよりよくなり成長していくはず。自由な議論ができる環境づくりを時間をかけてでも実現すべきです。

(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)

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