新スキル習得時
新しいスキルを学ぶとき、挫折しやすいのではないでしょうか。まったく経験のないことを習得しようと意気込んで、最初から長時間の反復練習をしてしまい、1日、2日でスキル上達しない自分にイヤになってやめてしまうパターン。これは、新スキル習得のコツを知らないから発生するパターンです。実際は、うまく「休憩」を取りながら、反復練習を重ねると習得時間が短くなるのです。 今回は、休憩の重要性について、解説したいと思います。
実験結果
大変興味深い実験があります。この実験結果によると、人が新しいスキルを学ぶとき、休憩時間に予想外の脳活動をしていることが明らかになったのです。
実験の概要
・健康なボランティアの方々に、左手で5桁のコードをタイプする練習をしてもらう
・10秒間の練習と10秒間の休憩を交互に35回繰り返すという内容
驚きの結果
休憩中の脳の活動を詳しく調べられたところ、脳は休憩中に練習の内容を高速で「リプレイ」していたことが分かりました。しかも、通常の20倍もの速さで繰り返し再生していたそうです。20倍って想像を超えるスピード。休憩中に高速でリプレイしているなんて、ちょっとイメージできません。
さらに興味深いことに、このリプレイが頻繁に起こるほど、次の練習でのパフォーマンスが向上していたのです。休憩をこまめに取っている方が習得が速くなるのです。
わかること
この発見が示唆することとして次の内容があります。
- 休憩は単なる「何もしない時間」ではない。脳は休憩中も習得のために猛スピードで働いている
- 短い休憩をこまめに取ることで、新しいスキルの習得が促進される可能性が高い
- 「休みなく詰め込む学習」よりも、適度な休憩を取り入れた学習方法の方が効果的
応用
新しい仕事のスキルを身につけようとするときは、集中して練習することも大切ですが、適度な休憩を取ることも計画したいです。要領の良い人は、ホントに短い時間の練習と休憩を何度も繰り返すようにしています。忙しい人も同様に、長時間の練習時間が取れないので短い時間を繰り返すことで、結果的には効率の良い習得方法を行なっています。一度に3時間練習をして、その後、何もしないより、1回5分の練習を毎日行う方が習得時間は短くなるでしょう。言語習得のときもそうですが、毎日少しずつ学んでいるのです。何もしない日が続くことはないのです。
まとめ
過去に経験のないスキルを習得するとき、苦手意識があるならば、1日5分間だけ取り組むところからスタートさせましょう。これは予想外に効果があり、1週間、1ヶ月と時間が経過すると新しいスキルが自然と身についているものなのです。
Study shows how taking short breaks may help our brains learn new skills
https://www.ninds.nih.gov/news-events/news/press-releases/study-shows-how-taking-short-breaks-may-help-our-brains-learn-new-skills
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