参照点の移動とは

行動経済学に「参照点(Reference Point)の移動」という概念があります。人は損得や価値を判断するとき、絶対的な基準ではなく
・「自分の中の基準点」
と比較して判断しているのです。

たとえば、美味しいの基準も過去の経験をもとに、
・ここからが美味しいというポイント
を作っているわけです。それを参照点と呼んでいます。

ただ、問題がここでひとつあります。それは、この基準点が
・固定されていない
こと。時間の経過、経験の蓄積、周囲の環境の変化によって、静かに、しかし確実に動いていってしまうのです。ここに気がつかないことがありますよね。

定期的に接している人が急に変わった、と感じるときは参照点の移動を疑った方がいいです。お客さまの参照点が移動している場合は、そこに気がつくことがポイントになります。購入や決断の参照点が移動してしまうと受注できなくなるからです。

こんな事例もある

他の事例もあります。たとえば、翌日配送がまだ珍しかった時代、届くまで3日かかっても顧客は不満を感じませんでした。しかし今、Amazonの翌日配送に慣れてしまった。消費者にとって「3日後にお届け」は遅いと感じてしまうのです。参照点が移動しています。現在では、さらに参照点が移動しており、翌日配送が
・「普通の配送」
・「当たり前」
としか感じないようになっています。このような心境の変化を見逃さないことも大事だと感じます。

まとめ

参照点の移動は、目に見えず、数値にも表れにくい変化です。しかも、急に変わったりします。そこには法則性はなく、なんとなく時代の流れとともに移動していると考えています。現在の参照点も半年後にはまったくちがう地点に移動していることもあるでしょう。そのため、月に1回程度は確認が必要だと考え始めています。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆