世界一のダイヤはなぜ生まれたのか

1964年の開業。この年は東京オリンピックも開催された年。新幹線も開業した年でもあります。高速道路も部分的に開通。移動手段が一気に増えた時代。

東海道新幹線は当初、1日60本の運行でスタート。それが2026年の今、1日380本、年間13万本を走らせています。6倍以上の量を運行しているのです。その本数の中で、自然災害を含めた平均遅延はわずか1.4分しかありません。新幹線が遅延した状態で乗車することがありますが、到着地では、遅延が解消されている経験が何度もあります。

この精度が出せるのは、
・ダイヤは15秒単位で管理
されているからです。本当に秒単位の世界。海外の人が新幹線に乗り遅れる理由があります。
「時間通りに出発したから遅れたんだ」
と言っていた人もいましたね。自分たちの国の鉄道は遅れることが当たり前。そのつもりでホームに行ったら新幹線が出発していた、というオチです。

統一というルール

この正確性を生んだ最大のポイントは、突出した技術ではなく他の理由だと言われています。それが
・「車両統一」
という手法です。これは、JR東海だけのルールであり、他のJRでは採用されていません。その区間は、16両編成の新幹線しか走っていないのです。全車両を統一したことで、速度も加速も制動も全列車で同じになり、結果として列車の間隔を極限まで詰められるようになったというわけです。最近は部分的な自動運転も導入されており、人による差も減少しているようです。

「絞り込み」は諦めではなく加速装置

航空会社でもLCCの会社は
・機体統一
が当たり前です。同じ機体しか飛ばしません。そのため、パイロットやクルー、整備士に関しても無駄がないのです。メンテナンスについても部品共有なので、無駄な在庫も発生しません。

東海道新幹線もまさに同じ理屈です。車両を統一したからこそ、15秒単位のダイヤ管理という精緻なオペレーションが可能になったのではないでしょうか。もし新旧さまざまな車種が混在していたら、今のダイヤは絶対に組めないでしょう。絞り込みは諦めではなく加速装置なのです。

まとめ

東海道新幹線の強さは華やかな新技術だけでなく、「統一」という地味な工夫の積み重ねにもあったと考えています。何を絞り、どう統一するのか。これは経営資源の限られた中で、最大限の結果を生み出す方法のひとつでしょう。参考になる内容です。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆