不正が原因だった

ロンドンの住宅金融会社MFS(Market Financial Solutions)が経営破綻しました。ちょっと気になるニュースです。この企業は、融資残高約約5,000億円を抱えていました。2006年創業で、不動産購入時の短期資金を提供するブリッジ・ローン(つなぎ融資)で急成長した企業です。なぜ破綻したのでしょうか。

破綻理由は「不正」でした。1つの不動産を複数の融資先に担保として差し入れる
・「二重担保(ダブル・プレッジング)」
という手法です。

12億ポンドの債務に対して担保が
・80%以上不足
し、約2,000億円の穴が開いている可能性があると債権者が警告。CEOはドバイに逃亡したと報じられています。結構、無理な貸付も行っていたようです。無謀な目標設定があったのかもしれません。不正をしてでも達成しなければならない隠れた力が存在していたと想像してしまいました。

このMFSの破綻、過去を思い出します。2007年に英住宅金融ノーザン・ロックが破綻し、翌年のリーマン・ショックにつながった記憶がフラッシュバックする人もいるのではないでしょうか。いわゆる18ヶ月後に大きなことが発生するというジンクスです。

連鎖する二重担保の不正

MFSの事件から思い出す事例があります。当サイトでも取り上げた企業事例です。2025年に
・米国自動車部品メーカーFirst Brands Group
・米国サブプライムオートローンTricolor Holdings
が破綻しました。内容が似ています。どちらも不正が原因で破綻しています。業種も国も異なる企業で、同じような内容の不正が繰り返されているのを見ると、無理に数字をつくろうとして無謀な道へ進んだのだと感じています。

まとめ

MFSの破綻は、リーマン・ショックの再来とはいえない。今のところは断言できません。しかし、規制の緩いノンバンク領域で二重担保の不正が繰り返されている事実は、金融市場の「見えない部分」にリスクが蓄積していることを示しています。直接的な影響がなくとも、自社の取引構造やリスク管理を改めて点検する。それが、過去の危機から学ぶリーダーのあるべき姿勢ではないでしょうか。

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