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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
ものづくり白書2019から
ものづくり白書を定点観測して感じることといえば
この3年間の変化スピード。
ものづくりが大きく変化していることに気がつかされます。
下記、ものづくり白書のポイントがまとめられています。
現状と課題
上記図にまとめられていますが現状と課題は大きく3点。
- 第四次産業革命の進展
- グローバル化の展開と保護主義の高まり
- ソーシャルビジネスの加速
具体的には次のようになります。
第四次産業革命の進展とは
製造ラインでのデータ活用が進んでいます。
IoTも広がっており、製造ラインで不具合が発生したときに
人が見に行くのではなく、カメラで即確認するという製造ラインも
出てきています。
製造工場にモニターが並んだ司令室を設けた工場もできており
より一層無人化が進むでしょう。
センサーによるデータ取得が進めば、製造管理も自動調整ができますし
原価管理、管理会計も自動化でき製造のすべてを最適化できるのです。
そのプロセスが着々と進んでいることを感じます。
グローバル化の展開と保護主義の高まり
グローバル化はものづくりにも進捗しています。
調達は世界からということは中小企業でも当たり前になりつつあります。
販売も同様。
会社規模に関わらず世界中に顧客、仕入先があるのは当たり前になって
いくでしょう。
そうでなければ勝てない業界もあるのは事実。
自分たちの業界にその流れがいつから発生するのか見極めていきたい
ところです。
ソーシャルビジネスの加速
ソーシャルビジネスとは温暖化対策、クリーンエネルギー利用などの
取組み。
今後、経営者はソーシャルビジネスの姿勢を問われます。
これをコスト増と考えるのか、ビジネスチャンスととらえるのか。
そこが分かれ道になりそうです。
品質管理と経営層の現場把握
ものづくり白書の中で興味深い内容だったのが品質管理と
経営層の現場把握の関係。↑
経営層が常に現場の状況を把握している企業ほど品質管理において
ほとんど品質トラブルが発生していない、という結果。
7pay(セブンペイ)の不正アクセス問題で社長がセキュリティの2段階認証を
知らなかったという記者会見がありましたが現場の状況を把握できない
経営層がいる企業は何かトラブルが発生するということ。
現場知らずでは経営はできない、ということを実感させる内容です。
CDO(最高デジタル責任者)設置
あと製造業で注目の動きは、製造業でデータ活用を活発化する
動きです。
経営層にCDO(最高デジタル責任者)を置く企業も出てきました。
他にもデータサイエンティストの採用を行ったりする動きもあり
今後も進んでいくでしょう。
製造業に関わる人に、データに関する知識がなければ仕事にならない
時代がそこまで来ているように感じます。
まとめ
製造業という業態自体が変化していると感じます。
製造業だけを知っていればよかった、という時代は過ぎ去ろうと
しています。
データ活用による製造業、デジタル化される製造業へと進化していく
でしょう。
そうなると取り残される企業も増えることになります。
また淘汰が進むわけです。
今すぐにはそうなりませんが、10年後には実現されています。
そのためにも製造業の知識だけでなく、関連領域を幅広く
知っておくこと、理解しておくこと、触っておくことが求められます。
その点をキャッチアップできない企業が淘汰される。
ただそれだけのように感じます。