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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
本業転換は当たり前か
既存のビジネスが成長していくことが少なくなりました。
戦後、人口が増え続けた日本。
高度経済成長も経験していますが要因のひとつが人口増加に
あったことは否定できません。
今は、人口減少。
今年の発表では40万人以上減少しています。
市町村が消滅したと同じだけの減少人数。
これからも人口減少は続きます。
市場は縮小していきます。
しかも、世の中は技術進化が進み、既存ビジネスが淘汰されて
いくことは世の常です。
この原則は景気不景気、人口減少とは関係なく進んでいきます。
企業経営では「本業淘汰」を予測しながら「本業転換」することが
求められ続けます。
その点を直視すること。
本業転換に取り組むこと。
ここが経営者の仕事のひとつ。
本業が淘汰されはじめてからでは遅い。
その前に本業転換に向けてスタートすべき。
そんな本業転換に成功事例を見ながら考えていきたい。
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本業転換事例
本業転換に成功した事例としてははずせないのが
富士フィルム。
競争していたイーストマン・コダックが消滅したことを考えれば
富士フィルムの本業転換がいかに評価されることかがわかります。
本業のカメラ・フィルム事業がデジタルカメラの出現で急激に減少。
収益の柱であったカメラ・フィルム事業をイーストマン・コダックは
転換できず消滅。
富士フィルムは転換が可能でした。
これは偶然なのでしょうか。実力なのでしょうか。
本業転換するのにどの程度のことをしたのか
富士フィルムは本業が急激に減少することがわかってから
M&Aをしました。
その数70社以上。
その中で大きな収益になったことが数個できたのです。
液晶に使われるフィルム。
医薬品。
化粧品。
収益が上がる新規事業を見れば、狙いが良かったと分析できますが
その裏では持てる資金でM&Aを即決していったスピード感も
良かったのではないでしょうか。
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ブラザー工業の事例
ミシンメーカーから転身したのがブラザー工業。
現在はインクジェットプリンターやFAX複合機をつくる
メーカーへと転身しています。
わたしもFAX複合機はユーザーのひとり。
限定機能、手頃な価格が支持されています。
ミシンの同業だったシルバー精工は一部上場でしたが
現在は会社は廃業になっています。
新規商品がブラザー工業のように当たらず会社は消滅して
しまいました。
同じ業界においても明暗にわかれた形です。
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まとめ
大企業であっても本業転換は難易度が高い。
規模が大きいから大企業だから本業転換ができないのかもしれません。
とはいっても中小企業でも本業転換は難易度が高い。
本業転換が必要になったときに新規事業を立ち上げる実力がなかったら
本業転換は不可能。
必要になったときに実力が発揮できるように余裕があるときから
投資しておきたいところ。
柔軟な対応ができるには、日頃から準備やトレーニングが必要だと
いうことです。