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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
キャッシュエンジンは永遠か
「永遠に稼げるビジネスがあれば・・・」
とホンネが経営者として出てくるのは当たり前です。
売上を稼ぐ商品・サービス、利益を稼ぐ商品・サービス、
もしくは会社を成り立たせているビジネスモデル、ポジショニング。
利益をもたらす因子は「キャッシュエンジン」と呼ばれていますが
これらが永遠に成立するのだったらどれだけ楽か。
ただ
これらは永遠ではない。
永遠に稼いでくれるビジネスは存在しない。
この事実を受け入れなければならない。
成功者と呼ばれる経営者は、「キャッシュエンジン」があるうちに
次の手を打っている。
稼げているときに、次のキャッシュエンジンを見つけるための
投資をしている。
今回は事例をもとに考えてみたい。
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キャッシュエンジンがあるうちに変わった
成功している企業をリサーチするとわかることがあります。
成功を収めたビジネスを最初からは取り組んでいない。
最初にはじめたビジネスはあくまでも食べるための(稼ぐための)
キャッシュエンジンであり、それがあるうちに次の手を打って
大きく飛躍しています。
たとえば
- ファッション通販サイトZOZO TOWNを運営する株式会社ZOZO→元は輸入CDのカタログ販売
- ゲーム会社として有名になった株式会社ディー・エヌ・エー→最初はオークションサイト運営
- 同じくゲームで有名な株式会社ミクシィ→最初は求人サイト、その次がSNS
とIT系企業は変遷が短くわかりやすい。
オールド企業でも同様。
・富士フィルム株式会社
・ブラザー工業株式会社
など主力商品が切り替わった企業も有名です。
トヨタ自動車株式会社も最初は織り機メーカーでした。
そこから自動車へと転換し今に至ります。
ここからわかることは、稼ぐビジネスである「キャッシュエンジン」が
あるうちに転換に成功したということ。
これに失敗した企業は大企業であっても消滅している事実があることは
目をそらすことができません。
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どこに向かえばいいのか
ビジネスを転換するといっても何をすればいいのか。
どこから手をつければいいのか。
成功事例を見たところで自分たちに当てはまることは少ない。
そのため、アイデアが浮かばないから何もできない。
ただ時間は過ぎる。
焦りだけは募ることもある。
そんなサイクルに入っている人もいるのではないでしょうか。
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時代の流れを見る
当ブログでも時代の流れについて何度も取り上げています。
統計データを取り上げているのもそのためです。
時代の流れには経営は逆らうことができません。
ということは、時代の流れに乗ってしまえばいいだけ。
流れていく方向を見定めること。
それがビジネス転換へのカギになります。
ただ時代の流れは自分の感覚と違うことだけ理解しておくこと。
自分の感覚では受け入れられないことが発生しても受けとめる
度量が求められるのです。
それくらい時代の流れはどこにいくのかわからない。
逆にそれが楽しいのかもしれません。
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キャッシュエンジンがあるうちに試す
新しいビジネスは、とにかく試す数によって変わります。
確率は低いので数多く試した人の方が勝ち。
試すことに価値があるのです。
「1勝9敗」
「連戦連敗」
と有名な経営者が言っていますが、大成功を収めた経営者でも
何をやってもダメだったのです。
10の新ビジネス、新商品、新サービスを立ち上げても全部はずれる
ことが普通の世界。
その点をわかって取り組むことです。
勉強代だよ
ある経営者の言葉が忘れられません。
「勉強代だよ」
と新商品の損切に対して言っていました。
この商品が売れなかった、ということがわかったので
そのための勉強代だったということ。
売れなかったということがわかるための投資だったのです。
その感覚で繰り返し取り組んでいたのです。
これを失敗だと感じると止めてしまう。
そうなるとビジネスの転換は完成しない。
あとはゆっくりと消滅ヘと歩むしかなくなるのです。
まとめ
このように見てくるとキャッシュエンジンがあるうちに
会社を変えることは経営者の仕事。
スタッフではできません。
ときには損が出続けることもありますし、停滞を感じるときも
あるからです。
そう立ち止まれないのです。
それこそが経営者の仕事とも言えます。