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ダイソンの撤退から想像できる撤退基準とは

【fjconsultants365日Blog:3,941投稿目】
~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

開発中止

ダイソンが電気自動車の開発中止を発表しました。
期待していた人も多かったのではないでしょうか。
結局のところ、採算が合わないということで撤退。

損切の決断時期を判断基準を設けていたのでしょう。
予想より速い撤退の決断だと感じます。

その点を今回は考察してみたいと思います。

開発を公表したのは2016年

ダイソンが電気自動車の開発を公表したのは2016年。
実用化は2020年を目指すと発表したのです。

製造場所はシンガポールを計画していました。
(工場建設についても2018年に役員会で了承されていた)

投資金額は2,500億円〜3,000億円を予定して、人員も
500人以上を開発に当てる計画だったのです。

これが約4年間で中止。
商業的に実現不可能という結論を出したのです。

電卓

撤退基準

ダイソンは非公開企業。
正確な数値はわかりません。

発表されている数値を見ると2017年の業績が
・売上:約5,100億円
・利益:約1,100億円(EBITDA)
と出ています。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1803/06/news140.html

EBITDAは「償却前営業利益」とも表現される利益で
https://www.businesscreation.jp/2019/09/26
でも取り上げましたが

【EBITDA=税引前当期純利益+減価償却費+支払い利息+特別損益】
もしくは
【EBITDA=営業利益+減価償却費】

https://www.businesscreation.jp/2019/09/26

になります。

過去の業績を見ても、ダイソンはEBITDAが20%以上を
確保しており、それが指標のひとつになっていると予想されます。

ということは、電気自動車が商業的に実現不可能という表現を
したのは、EBITDAが20%以下にしかならない、もしくは、
ほとんど利益が出ない試算が出てしまったのではないでしょうか。

本業より利益率が下回るビジネスはやりたくないので心情。
ダイソンの決断もその点が決断の境界線になったのではないかと
思われます。

電池

撤退しても恩恵はある

とは言っても、開発を中止した電気自動車には副産物が
あります。

それは電池開発(固体電池)です。
開発の半分の人員は電池開発に振り分けられていました。
その電池開発のノウハウは今後に活かされるようです。

もしくは、この固体電池の技術を自動車以外に転用したほうが
ビジネス的に有効だと判断したのかもしれません。
要するに、方向転換をしたということです。

ロボット分野に進出するのではないかと個人的には予想しています。

まとめ

ひょっとすると電気自動車を開発しながら、もっと利益率の
高いビジネスを見つけてしまったのかもしれません。

撤退が速いのには意味があると思っています。
こうした撤退基準を考えてみると様々な予想ができます。

撤退についてまとめます。
撤退には次のポイントがあります。
それは

①開発という投資をするには撤退基準を数値化しておく
②撤退の判断する時期を決める

の2点です。
この2点は必ず実践すべきことです。
この2点がなければ撤退できず損失を膨らますだけです。

気持ちが入るほど撤退できないもの。
だからこそ、客観的に判断できる基準が必要だと常に感じています。

藤原毅芳写真
この投稿記事を書いたのは経営コンサルタント  藤原毅芳 fujiwara takeyoshi (fjconsultants)
1971年生まれ 鎌倉市在住 fjコンサルタンツ代表 一般社団法人暮らし振興支援機構理事 単著8冊、監修1冊、海外翻訳出版1冊、講師として宣伝会議の『マーケターのためのPDCA実践講座』などで継続的高評価を受けている。2021年大手都市銀行シンクタンクの法人会員限定雑誌に『売れる仕組み〜マーケティングの基本』を執筆。『この世に残るべき企業を支援する』を軸とした考えで経営の現場で課題をスピード解決し企業を発展させている。経営セミナー松本考動倶楽部は2014年から登壇し講義80回を超え、2020年からオンライン経営勉強会マナビィーズとしてリスタート。0円コースもあります https://manaby.biz/muryo/