fjconsultants Blog:4,742投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆

隠蔽体質

進化発展には隠蔽はマイナス要因。
失敗から進化があり発展していきます。

進化するスピードは業界によって違いますが、スピードの違いは「隠蔽」に関係します。
失敗に関して隠蔽体質がある業界は進化が遅い。
公開性があり透明性がある業界は進化スピードが速いのです。

これを「クローズド・ループ」「オープン・ループ」と表現しています。
具体的には下記になります。

クローズド・ループ現象とは
「クローズド・ループ」「オープン・ループ」はもともと制御工学で用いられる用語だが、本書では意味が異なる。    
ここでいう「クローズド・ループ」とは、失敗や欠陥にかかわる情報が放置されたり曲解されたりして、進歩につながらない現象や状態を指す。
逆に「オープン・ループ」では、失敗は適切に対処され、学習の機会や進化がもたらされる。

書籍「失敗の科学」より

典型的な事例

クローズドループの組織事例としては米国医療業界が取り上げられていました。
失敗を隠蔽する率が高いので改善されない。
そのため医療事故の割合が高いとされています。

その一方で、航空業界はオープン・ループの組織。
事故は軽微なものからすべてオープンにされ第三者が調査。
データもフライトデータレコーダー (FDR) とコックピットボイスレコーダー (CVR)でオープンになります。
そして改善しています。
そのため事故率が低い。

speed run

クローズド・ループの組織

企業の進化発展もこのクローズド・ループとオープン・ループによって進化スピードが違いいます。
組織の風土がクローズドなのか、オープンなのかによって差が出るのです。

クローズド・ループの組織の特徴は、コミュニケーションが少ないとされています。
さらに深く追及するならば、プライドの高い人の集まりと言えるでしょう。
権威主義が広がった状態なのです。
もともとコミュニケーションを取らない状態があり、そこに隠蔽体質が積み重なった組織です。

オープン・ループの組織

オープン・ループな組織とはどのような感じでしょうか。
失敗をある意味評価する組織と言えます。
失敗を個人の責任とせず、組織の責任とする。
仕組みがないことの問題だと考えています。

そのため再発防止に徹底的な取り組みをしていきます。
個人の問題とせず、失敗する仕組みが問題だと考えているのです。

また役職に関係なく「これは危ない」「この点は気になる」といった発言ができる雰囲気も備わっています。

まとめ

失敗の率を少なくするためだけでなく企業の発展にはオープン・ループな組織の方が速く進捗します。
とはいっても、急にオープン・ループになるわけではありません。
しかし、オープン・ループを目指し、ゴールを見失わずに進むことがリーダーの役割だと感じます。