平均消費額2割減少

消費支出額を下げるようにしているのが現在の米国。インフレを抑え込むために多少の不景気は致し方ない、と判断しています。そのためか通販のセールが2割減の結果になっているのが公表されています。消費を冷ます意図が、その通りに推移している一端がここではわかります。

確かに思い起こせば日本のAmazonの動きからそれは推測できました。前回のAmazonセールが話題だったのです。価格が安すぎたからです。特にAmazonオリジナルの商品が安価すぎて「思わず買ってしまった」という人が複数いました。在庫過多なんだろうな、と簡単に想像できましたが、やはりそうだったのです。しかも、セールの回数を増やしています。夏のセールが不調だったので、11月のセールの前にさらに1回セールを開催しています。ただ、セールの回数を増やせばいいのかは疑問。悪循環になるケースもあるからです。

アマゾン・ドット・コムの今年2回目の会員向けセールでは、平均消費額が夏のセールから2割減った 

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65167340U2A011C2TB0000/

日本でも過去に

日本でもアパレル業界がセールばかりしていました。そのため価格設定がセールを前提とした価格になっていたのです。セールで半値になっても収益があがる仕組みになっていました。しかし、それが良かったのかはわかりません。

商品廃棄率が40〜50%あると言われているアパレル業界(下記記事参照)。その原因がセールに頼った販売だったのではないかと言われているのです。セールの価格でも収益を確保するという仕組みは通常の定価は割高になってしまいます。消費者も慌てて購入することがなくなり、セールで購入すればいいと考えてしまうのです。

日本の通販がどうなるのか

日本の通販が今後米国と同じような動きになるのか注目です。緊急度の高い購入は限られており、それ以外の購入機会は先送りにされているのではないでしょうか。通販のセールで購入する品目をヒアリングしてみても生活必需品や消耗品に限られており、欲しい製品を購入していないように感じます。

まとめ

エンドユーザーを顧客とするビジネスにおいては、対象となる顧客層を捉え間違うと売り上げが急減する可能性があります。急激に減少するまで気がつかない場合もあるので早めの対象顧客の再構築をするのが得策。どの顧客層が動くのか、動いているのか。それを他者より速く探し出した企業が売上という賛成票を集めることになるでしょう。だいたいその顧客像は見えてきていると感じています。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆