内部監査について

ここに来てキーエンスの話題が増えています。それまでは謎の会社でした。上場企業でありながら情報が出てこないのです。業績は公開されていましたが社内の様子や仕事の手法は非公開に近い形でした。これが急に変化し、元社員の書籍が出てきたりしています。メディアにも社内の様子が公開されるようになりました。その中で今回取り上げるのが「性弱説」です。キーエンスは性弱説をもとに社内の仕組みをつくっているようです。内部監査が各オフィスに突然訪問しているようです。このような取り上げられ方をすると、すぐに導入したいと思う経営者の方も出てくるのではないでしょうか。その点を考察したいと思います。

キーエンス、社内にマルサ? 
「内部監査」が目を光らす:複数の営業系OBが「社内の仕組みは『性弱説』に基づいている」と話していた。性善説でも性悪説でもなく、性弱説。人は弱いものだという前提に立った仕組みになっているとの指摘だ 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC032D50T00C23A4000000/

導入いきなりではなく

内部監査をいきなり導入するのは抵抗があり、拒絶反応が起こるかもしれないので、無理にスタートさせることはないと思います。上場会社においては内部監査は必須の項目なので通常行ってるのが普通です。しかしそれ上場会社以外はあまり行っていません。内部監査導入は優先的な事項ではないのかもしれません。しかし、ここでいう『性弱説』 の考えは取り入れることが有益だと感じます。

性弱説で組む

性弱説を基礎とするならば、人は弱いというのを前提でシステムを組んでいくことになります。 たとえば1人で取り組んでいても
・続けられない
・先送りにしてしまう
・解決できない
・放置してしまう
・忘れてしまう
といったことが頻繁に発生するからです。そこに悪意があまりないケースもあり社内の課題となっています。また、人が弱いことに関して『それは本人の責任だ』という認識で解釈すると組織の力はあまり発揮されることがありません。 なので、人が集まって相乗効果が発揮できなければ、あまり意味がないと感じます。 単に個人が集まっただけの場所であるならば、集まる必要性もなく、バラバラで仕事をすればいいだけのことです。

まとめ

支店、営業所、店舗、オフィスが各地に複数ある場合、内部監査は無いよりあった方が経営の誤差がなくなります。準備されていない状態、いつもの様子を見ることが内部監査の目的。その現状をある程度認めながら今後の成長を一緒に考えるのが理想。単なるチェック、監視で終わってしまうのが内部監査導入のリスクになります。形だけを導入しても意味がないのかもしれません。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆