低価格苦境あらわる

これからはデフレ脳からの脱却、インフレ脳に移行しなければならない、とお伝えしたことがあります。デフレ時に好調な企業が一転してしまうからです。そのような事例が出てくるのではないか、と予想していました。そんな中、やはり好調企業がインフレになって状況が変わってしまったという記事が出始めたのです。デフレ時代に好調な企業の中には「低価格戦略」を選択していた企業があります。低価格でも収益を出していくためにコスト努力を極限まで行っていたのです。しかし、ここに来て材料のコストアップ、人件費のコストアップが発生し、価格に転嫁できず、苦境に突入してしまったのです。メディアではサイゼリヤが取り上げられていました。

サイゼリヤ、「値上げせず集客」苦境に
物価高・円安で変動費増 損益分岐点高止まり

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73911810V20C23A8DTA000/

顧客数戻らず

サイゼリヤは価格を上げず、コストダウンで対処する選択をしています。無料提供の粉チーズを有料へと変更していますがメニュー価格は据え置き。これが考えた末の戦略なのです。しかし、顧客数は戻らず不調。2020年8月期以降、営業赤字が続いています。

インフレが今後も続くならば最後には「値上げ」しかないでしょう。もしくは高価格帯のプレミアムメニューをつくるしかありません。ただ、通常メニューとプレミアムメニューの共存ができない場合は、高価格帯ブランドを新設し、店舗を改装していくしか方法がありません。そろそろ決断を迫られていると感じます。

選択肢がない

低価格戦略のビジネスはインフレ時には選択肢がほとんどありません。そのため時流を先読みして価格帯を上げていくしかないのです。先手で動かなければ苦境に陥り、選択肢がない状態に追い込まれます。価格帯を上げる場合も別ブランドやプレミアを打ち出していくしか方法はないのですがユーザーに受け入れられるかはわかりません。高価格帯の製品ブランドが低価格ブランドを出す場合はスムーズにユーザーは受け入れるものですが、その逆は成立しにくいのです。

まとめ

低価格戦略は基本的に選択する場合は少ないです。コストダウンが可能だと確信できる場合のみ低価格を打ち出すことができます。コストコントロールの領域が大きい場合のみ低価格戦略が可能なのです。材料仕入れや人件費抑制が可能な場合のみ成立するのです。マーケティング戦略ではコストリーダー戦略と呼ばれますが、成立し続ける企業数が少なく、選択すべきではないのがわかります。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆