格安の代名詞が消えた

2026年5月、米国の格安航空会社スピリット航空が全便の運航を停止し、事業閉鎖を発表。スタッフ1.7万人を解雇しました。直接の引き金は想像できると思いますが直近の中東情勢の悪化にともなう燃料価格の高騰です。想定の燃料費が2倍になり、資金不足が露呈。その資金調達ができず事業停止です。今後は、他の企業が買収する話も出ていますがまだ決まっていません。米国政府も救済を表明していましたが、結局のところ事業停止という結果になったようです。

スピリット航空とは

スピリット航空の設立は1980年。昭和55年になります。今年で46年目だった企業です。もともと業績は芳しくなく、ここ数年も他の企業との合併を模索していましたが、結局のところ断念。その後厳しい状況が続いていたようです。保有する機材は
・エアバスA320シリーズ
を100機弱運航していました。LCC(ローコストキャリア)は原価計算がシビアなので、原価の一部が値上がりになると利益が出ません。また、他のLCCとの競争も激しいので、想像以上に経営は楽ではないのです。
・顧客減
・コスト増
が発生すると、その変化に対応する余力がないためこのような状況になるのでしょう。

考えるべきポイント

低価格のサービスや製品販売は
・販促コストがかからない
という利点があります。集客のための費用がほとんどかからないのです。だから、低価格で維持できるわけです。安いという口コミは拡散力があるわけです。しかし、それも唯一の場合だけで、競争相手が出てくれば、宣伝コストや集客コストがかかってきます。そうなると、ある一定数の顧客を集めない限り経営は成り立ちません。インフレ時期になると、低価格戦略は対応力が少ないので、体力のない企業は厳しい状況になっていくと予想しています。

まとめ

スピリット航空の事業閉鎖は、「低価格こそ正しい」という思い込みへの警鐘に見えてきます。低価格の企業ほど対応力に限りがあることを実感する事例です。対応力や余力は外から見てわかりません。しかし、明らかに企業によって対応力や余力の差はあります。対応力が限定されている場合は、価格訴求だけでなく次なる価値を見出せるように戦略を構築する時期だと思えます。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆