製造小売業のビジネスモデル

小売からメーカーになっていくことをSPA(製造小売業)と呼んでいます。有名なのは、ユニクロ、ニトリでしょうか。どちらも公開企業なので利益率を見てほしいのですが、通常の小売より
・利益率高い
のです。最初は、仕入れた製品を販売する小売業からスタートしても、利益率には限界があります。そのため、途中から、メーカーの要素を取り入れていったのです。

製造といっても種類が幅広く、最初は
・アッセンブリー(組立)
からスタートしています。その次に、部品や部材、材料の製造まで手がけるようになります。その幅を広げるほど、利益率が高くなっていくのです。しかも、直販なので、
・製造
・流通
の利益を自分のものにすることができる仕組み。リスクは高いですが、時間をかけながら広げていけば、揺るぎない収益を確保できるビジネスモデルになります。

ここもSPAを目指すのか

テレビショッピングの大手ジャパネットたかたが家電メーカーのツインバードを買収提案、と報道が出ています。ジャパネットたかたは通販でも大手で、知らない人はいないでしょう。長崎県発祥の企業で、最初はカメラ屋さんからスタートしています。

実際に出張時に、ジャパネットたかたの本社前を通り、本社ビルを見たことがありますが、この地からスタートしたのか、と感慨深いものがありました。

今回のツインバード買収提案と同時に
・PB(プライベートブランド)製品
を新たに出すこともジャパネットたかたは公表しています。大きな戦略転換です。SPAを目指すのだと感じます。

この戦略を選ぶには、

テレビ通販で主に家電などを販売してきた実績のあるジャパネットたかた。今まで、家電メーカーになる夢は先代のときからあったと思いますが、実現していませんでした。

現在は事業承継されています。思い切った戦略を打ち出せる準備ができたのでしょう。事業承継されてから、販売取扱製品の数を減らし、製品の種類を絞る戦略に出て、売上を成長させたこともあります。思い切った戦略が当たっているのです。

ただ、PBを取り扱うことに関しては、今までお付き合いのあるメーカーさんがどのように感じるのかが気になります。

規模感から見えること

買収を提案しているツインバードは売上100億円前後。ジャパネットたかたの売上から考えると少ないと感じます。そのため、買収が成功した場合でも、PB製品の割合は少ないでしょう。最初は試しながら、進めていくことになります。

というのも、PBが流行る時期は決まっているからです。PBは
・他より性能が良くて安い
という難題をクリアしなければなりません。そう簡単ではないのです。

また、ツインバードが得意とする顧客層とジャパネットたかたの顧客層が重なるかもまだわかりません。個人的には、疑問があります。今までの製品と同じような内容だと、顧客層が重ならないと考えています。

まとめ

ツインバードの業績を見ると、コストアップのせいか、利益率が悪化しており、赤字になっています。そのタイミングでの買収提案。しかし、自己資本比率は60%超あるので、焦ってはいないでしょう。この買収提案がどのような展開になるのか、結果も見ておきたいと思いました。

今回の通販からメーカーへのビジネスモデル転換は、いずれやると感じていました。先代が引退するときにも、メーカーを立ち上げたい、といったことを言っていたような気がします。時代を見ても、SPAの戦略を選択するのは正しいと感じます。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆

ブックマーク一覧