ワンボイスの原則

ワンボイスの原則とは、有事や危機的状況の

時に

・1つに集約すること

・命令を出す人は1人

といった意味で使われます。

状況が混乱していて、収拾がつかない

時ほど、ワンボイスは有効です。

とはいっても、実際にそのような

できごとが起こったら結局のところ

ワンボイスの原則は活かされないことが

多いのです。

私も現場に出ます、の間違い

危機的状況ではなくても現場では忙しい

時があります。

そんな時にリーダーが

「私も現場に出て応援します(作業します)」

と言って、リーダーの仕事を後回しに

する人がいます。

これでは、かえって現場は収拾がつかない。

なぜなら、指示を出す人が1人ではなく

複数人になってしまうからです。

全体を俯瞰して見る人がいないので

「こっちに人が足りない」

「いや、こちらが急ぎだ」

といった様子で優先順位がつけられない

状況になるのです。

そういった収拾がつかない状況を

脱するためにも

・ワンボイスの原則

は必須です。

忙しいという混乱状況の中で

・自分が動く(作業する)

という選択肢を外して、どのように

・全体最適

するのかを考えることなのです。

トリアージを見習う

トリアージとは、災害時に多数の負傷者が

出た時に、医師が重症度を判定し治療の

優先順位をつけることです。

判定の内容は

・最優先:赤色

・待機:黄色

・保留:緑色

・無呼吸:黒色

の4つで、判定後にトリアージタッグを

つけていきます。

これにより治療の順番は1つに統一され

現場が迷うことなく治療に専念できる

わけです。

これこそワンボイスの原則です。

医師だけが判定の責務を担い、その判定を

他の人は覆せない。

そのため、現場では優先順位の基準が

ひとつになりスムーズに物事が進む

というわけです。

ビジネスの場面でもトリアージは活かせる

ビジネスの場面でもトリアージの原則は

活かすことができます。

たとえば新規事業を立ち上げるときや

不採算部門の挽回をはかるときには

効果が大きいのです。

実際に

・何をやらないのか

が明確になり、どこから取り組めば

いいのかはっきりするからです。

取り組む部分が明確になればそこに

・人員をどれだけ投入できるか

・資金をいくらまで投資できるか

も試算が可能です。

優先順位がはっきりして投入できる

人と資金がはっきりすれば

・時間

が読み解けます。

新規事業の立ち上がる時期(黒字化時期)や

不採算部門が黒字化する時期が

予想できるのです。

ワンボイスの原則とトリアージの手法により

経営力はアップするので取り組む価値があると

感じます。