おもてなしは現在なし

外国人旅行客が戻りつつあります。しかし、日本にはおもてなしが無くなったと外国人旅行客のサポートをした人の談話が出ていました。この現象は外国人旅行客に対してだけではないと考えています。おもてなしが幻想だったと感じているのは日本人も同じです。外国人という分断だけでなく、日本人の中にも分断が一旦形成されてしまったのが原因です。

「おもてなしの国」は幻想だった…外国人の私が痛感した「うるさい邪魔者」扱い|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト 

https://www.newsweekjapan.jp/tokyoeye/2022/10/post-129_1.php

スタッフ急募の現場

他にもサービス業のスタッフが減少したので、おもてなしが継承されていないのも要因です。今年になってスタッフを急募しているところが多いのは気がついている人もいるでしょう。急募して採用したスタッフは標準作業をするだけでも精一杯。対応するだけで限界な状態なのです。おもてなしまで気遣いできないのは致し方ありません。

急な繁忙期が来る

10月11日以降から全国旅行支援(全国旅行割)がスタートします。また一斉に顧客が増える現象が発生します。スタッフの中には繁忙期を経験していない人の割合が多く、繁忙期対応でさえ無事に終えることができるのか心配なところです。そうなると、クレームも多発しリピート顧客になりそうな新規顧客が離反していく可能性も高いです。

経営の優先は稼働率ではなく

経営側としては、稼働率を高め収益を上げたいところですが、サービス業においては品質も大事。外せない部分です。品質を保持できなければリピートも発生せず衰退していくからです。品質を維持するために、稼働率を優先するのではなく、品質を維持できるキャパを優先しなければならないのです。そこが経営の優先順位になります。

まとめ

せっかくのチャンスなのに供給する体制が整わないジレンマが出ていると思います。スタッフ不足、教育する期間もない、といった環境になっているのです。2022年がスタートしたときにサービス業におけるリベンジ消費は予想できました。しかし、準備している企業が少ないのも気になっていました。そのため急に対応できない状況だと考えています。その結果が現在で始めている。今後も目にすることになるでしょう。旅行や外食に行くときは、あまり期待しないのが正解だと感じます。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆