デジタルだけでなくアナログの職種も恩恵

このGWは時間がまとまって取れるので、毎年テーマを決めて研究・情報収集に充てています。今年2023年は当然ながらAIをテーマにしています。AIだと何ができるのか、だけでなく、仕事にどう影響するのかも含めて考えています。そのあとは、AI導入プロセスを描くことになると思います。どちらにしても、AIのメリットがまだ見えていないので、そこから考えることも大切だと感じます。AIによるメリットが大きくなる職種も見えてきました。かなり特定の職種に偏っていますが、デジタルだけでなくアナログの職種も恩恵があります。AI活用しながら能力を拡張させて人の何倍もの結果を出す人も出てくるでしょう。

先延ばしがなくなる

AIのメリットを予測してみると、下記AIのメリットはだれもが実感できるかもしれません。得られる利益も大きいと考えています。それは、
・先延ばしがなくなる
ことです。たとえばミーティングにおいて、だれかが
「こんなこと、やった方がいいのでは」
と提案することがあります。しかし、今までは
「だれが、それをやるの?」
という結論になり、先延ばしになるケースがありました。特に緊急性がないが、重要なことほど毎回議論にあがりながら、手をつけない状態が続いていたものです。この先延ばしされる重要事項がすぐに手をつけられるようになるのがAIメリットのひとつです。

下案作成タイム短縮

事例をもとに考えてみましょう。会社においては
・改善
・プロジェクト
・マニュアル
・マーケティング
・戦略
について未実施の場合があります。「ウチの会社ではまだ取り組んでいません」と報告されることがあります。でも重要事項なので「やった方がいい」とほとんどの人が思っています。でも取り組むのにあたって労力がかかるため、やりたがりません。下案を作成するのさえ時間がかかってしまうからです。改善案の作成、プロジェクト案の作成、マニュアルの下書き、マーケティング案からスケジュール案の作成、戦略の話し合いのための下案作成でさえ、時間も労力もかかっていたのです。

この下案作成がAIで削減できます。具体的作業として

  • 情報を探す
  • 情報を集める
  • 情報を整理する
  • 情報を分析する
  • 下案を考える
  • 下案を資料にする

といったプロセスのことです。この時間がAI活用によって3割削減可能です。人によっては5割削減できるかもしれません。

取りかかるまでの時間短縮

単に作業時間短縮がAIによるメリットですが、他にも大きなメリットがあります。それは、これらの下案作成に取りかかるまでの時間が無くなるのです。精神的なものです。労力がかかり、情報整理からアイデア出しまで面倒な内容なので、どうしても取りかかるまでに時間がかかるのです。まとまった時間が取れるときにやろう、と設定した日程が急な仕事が入ることで、さらに先延ばしになることはよくあることです。次のミーティングで「時間が取れなくてできませんでした」という報告を何回聞いてきたことでしょうか。

どうやってまとめたらいいのかわからなかったり、アイデアが出てこなかったりすると、人は苦痛です。そんなとき、検索をしてヒントを探そうとしますが、検索時間を長く取ってもヒントは出てきません。そのため挫折してしまいます。取りかかるのを先送りしてしまうのです。

書籍を読んでヒントを探そうともがくこともあります。1時間、2時間かけて読書した結果、ヒントは1個あるかどうか。1個も見つからないことも普通です。こうした苦痛によって先送りにしていた「取りかかる」という動作でさえAIがあれば即取りかかることが可能です。苦痛だった情報の整理や、アイデアを出すことをアシストしてくれるからです。取りかかるまでの時間を短縮してくれると効果は絶大。ときには1週間、2週間とかかっていたことがすぐに手をつけられるからです。

まとめ

今回は「取りかかるまでの時間」に焦点を当てました。ここが改善され短縮すると企業の成長スピードは加速します。取りかかることさえできれば低速でも動き出すからです。スタートしない場合は、以前と変わらず現状維持が続きます。「やらなければならない」というスローガンだけが繰り返される状態。こうした状態を打破させるAIの存在は大きい。取りかかる時間をゼロにする取り組みはすぐにできますし、効果も実感できるでしょう。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆