スクリーンの限界を超える
パソコンやスマホ、タブレットの液晶サイズは物理的に限られており、特に老眼などの視力問題を抱えるユーザーにとっては、この制限は日常の大きなストレスとなっています。カフェなどの飲食店ではQRコードを読み込んでメニューを見て注文するようになりました。これにもストレスを感じている世代があるのは否定できません。今後、バーチャルリアリティ(VR)技術の進化が、この問題への解決策になると思うので取り上げてみます。
VR技術の進化と快適な視界の提供
Appleが発売した「ビジョンプロ」をはじめとする最高級のVRデバイスは、液晶の物理的制約を超えた新しい体験を提供します。500,000円以上という高価格ながらも、その価値は明確です。米国での発売だけですが、日本でもさっそく取り上げられています。世界中のユーザーがその革新性を期待しているのでしょう。米国では、発売売り切れにはなっておらず、在庫が残った店舗もあったようです。高価格帯なので、数が売れるわけではありません。しかし、性能のインパクトは高いので戦略としては有効でしょう。
視覚的な広がりの実現
VRや3Dメガネを装着することで、従来の物理的液晶画面の大きさと比較すると何倍にも大きくなります。たとえば、31インチから50インチ、さらには100インチの大画面へとバーチャル上で拡張されます。この技術により、視力に制約を感じていたユーザーは、快適な視界を手に入れることができるのです。手にれるメリットが大きくなればなるほどVRゴーグルの普及は加速していきます。
快適さの新たな基準
一度この快適さを体験したユーザーは、従来の小さなスクリーンには戻れなくなるでしょう。人はツールを通じて快適さを覚え、その利用を習慣化してきました。TVの画面の大きさもそのような歴史になっています。液晶テレビが出てきてから、液晶の大きさは小さくなることはありません。購入する度に大きくなっていくのは、大きい方が快適だからです。VR技術もまた、この歴史を繰り返す可能性があると考えています。
VRの普及と未来
Facebookのメタをはじめとする多くのメーカーが、ゴーグル型、サングラス型のVRデバイスを含む様々な製品を市場に投入しています。数万円の製品です。日本円だと5万円台から7万円台。これらのデバイスが普及するならば、働き方に変化がもたらされることでしょう。オンラインのミーティングもVRゴーグルをつけて参加することが多くなると思います。書類を共有しながらオンライン打ち合わせする場合は画面が大きい方が重宝するからです。デジタルの新聞を読むのもそうでしょう。タブレットやパソコンでその都度、記事を拡大させて読んでいる場合を考えると大きな液晶の快適さは手に入れたいところです。
まとめ
VR技術の進化は、画面サイズの物理的制約を超え、ユーザーに未曾有の快適な視界を提供します。このテクノロジーが日常にもたらす変革は大きく、一度体験したらその魅力から離れられなくなると予想しています。すぐに代替されるとは思いませんが、数年単位という時間をかけて普及すると思います。VRゴーグルが小型化され、デザイン性も高くなるほど普及が広がるように感じます。VRゴーグルやVRメガネを装着している方がカッコいいという価値観が発生したら、さらに加速度を増して普及するでしょう。
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