「やめる」のではなく「変える」という選択

ビジネスでは、環境が変わると「転換する」ことになります。最近の言葉では「ピボット」と呼んでますね。ビジネス環境は一定ということはありえないので、経営は常にピボットすることになります。その転換の大きさは時期によってちがいますが、ビジネス環境の大幅な変化のときは、転換する幅も大きくなるのです。

このあたりのことを知るには事例がもっとも理解しやすい。先人の経験値を取り込んで活かすことができます。今回は、複合レジャー施設運営のラウンドワンを取り上げます。ラウンドワンは現在海外で売上が伸びています。米国での展開が成功しています。その点は知っていました。しかし、なぜ米国に進出したのかはわからなかったのです。その理由がわかったので解説します。

変遷からわかること

ラウンドワンは業態、ビジネスモデルを
・ローラースケート場→ボウリング場→複合レジャー→海外進出
と変えてきました。その理由はビジネス環境の変化です。変化に追随できなくなると、次の企画を立てて決断しているのです。これを
・選択肢を広げる思考
と定義したい。単に売上減少から売上増を狙う企画だ、と決めつけるのではなく、経営の選択肢を広げるために決断しているのです。
1)ボウリングだけでは選択肢がないと思ったから複合レジャーに変更
2)日本だけだと他に選択肢がないので米国進出
と考えていったのです。単に多角化、海外進出という解釈で納得するのではなく、経営の決断から見える動機を知っておくべきでしょう。

小さく始めて仕組みで広げる

業態を変えるとき、資金が必要です。そう簡単ではない、と思うでしょう。確かにそうです。なので、小さく始めることを考えるのも選択のひとつ。ラウンドワンもボウリング場をつくったとき、設備は
・中古を購入
・自分で整備
しました。そこで試すことで、勝ち筋が見えてきます。見えてきたら大きく投資する。そのサイクルをしていたのです。

既存事業に隣接する「もう一つの収益の柱」を持つことで、一つの事業が落ち込んでも全体の安定性を保てます。

まとめ

赤字のスケート場を引き継いだ大学生が、年間6,000万人を集める企業にした企業事例でありストーリーです。最初から大きかったわけではありません。

「今あるものを別の形で活かす」という発想や、「選択肢を広げたい」という欲求。そして、「小さく試して仕組みで広げる」という実行力が参考になります。事業の行き詰まりを感じたとき、「撤退か継続か」の二択で考える必要はありません。「別の形に変える」という第三の選択肢があることを知っておくことだと感じます。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆