営業利益率より気になったのは

キーエンスの決算はいつ見ても不思議な感覚になります。
・売上総利益率85.0%
・営業利益率54.0%
なのです。製品を開発し、製造し、直販する。単にそのようなビジネスモデルになるのですが、粗利85%を大企業になっても維持していることの不思議さです。

製造原価は15%ということになります。10年前まで、キーエンスの情報は外に出てくることはほとんどありませんでした。メディアにも出ない状態。上場企業であってもそのような体質だったと記憶しています。創業者の方も公開している写真は数枚だけ。雑誌記事などは似顔絵で対応していたのです。その点も変わっている企業のひとつでした。

ひとつの製品に依存していない

規模が大きくなっても利益率を確保していることに以前から注目しています。これには要因がいくつか考えられます。
・ひとつの製品に依存していない
というのも大きな要因でしょう。そう考えています。

通常、製造メーカーにおいては
・ヒット商品
・ロングセラー製品
があるものです。それがメインであり、売上の大半を占めているケースです。その場合、その製品の売上が落ちてきたときに
・粗利率が下がる
・売上が下がる
となっていきます。それを防ぐには、製品の種類を増やし、人気製品を極力減らす戦略です。キーエンスは、
・小さな市場
・占有度を高める
戦略です。ひとつの製品で100億円以上の売り上げは狙わないと言われています。そうであるならば、規模の拡大があっても粗利率が下がらないのです。

直販の強み

あと、キーエンスで注目するのは
・直販の強み
です。顧客と直接話しができるのでニーズを理解することができます。細かいニーズをヒアリングできる強みがあります。そのため、製品開発においても他より優位性があると考えています。

また、直販のため利益率も高くなります。中間マージンがなくなるからです。しかし、直販は構築するのに時間と労力がかかります。規模が大きくならないこともあります。それを成し遂げてきたことが他社の参入を防いでいるともいえるでしょう。

まとめ

キーエンスの事例は、そのまま全部取り入れることは不可能です。しかし、ひとつずつ要素を取り入れていけば、経営の改善になります。利益率も向上します。そのような視点で見れば、学ぶべき点はあると思います。

——————————-
執筆・運営 :藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) fjコンサルタンツ :『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』

ブックマーク一覧