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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

改革若手チーム

資料を読んでショックを受けることはあまりありませんが
久しぶりに衝撃的な内容の資料でした。

厚生労働省の若手チームが改革提言した資料がそれです。
(概要:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000540524.pdf )

2019年4月の発足、8月に改革の緊急提言を発表しています。

厚生労働省若手チーム提言201908_000540524-01
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000540524.pdf

厚生労働省 改革若手チーム

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/youth_team.html

実態

厚生労働省内でアンケート調査した実態が下記になります。
(画面クリックで拡大します)

抜粋すると
・厚生労働省に入省して、生きながら人生の墓場に入ったとずっと思っている
・家族を犠牲にすれば、仕事はできる
・毎日の帰宅時間が遅い、業務量をコントロールできない
という内容なのです。

「そんな状態なんだ」と言葉が出ません。

課題

そんな状態から導き出される課題は

厚生労働省改革若手チーム
  • 圧倒的な人員不足
  • マネジメント意識の低さ
  • 組織ガバナンス機能の低さ
  • キャリア像の固定化
  • 人材育成意識の低さ
  • 劣悪なオフィス環境

の6点があげられています。
その課題を解決する方向性は次の3点。

厚生労働省改革若手チーム
  • 生産性向上のための業務改善
  • 人事制度改革
  • オフィス環境の改善

になっています。
この3本柱について「具体的提言内容」が展開されています。
中でも目についた提言を取り上げていきます。
応用できる内容を主にピックアップしてみます。

具体的提言内容

まずは事務処理関係の生産性向上。
・議事録作成を自動作成
・ペーパーレス、リモート処理
・移動せずオンライン打合せ
が出ています。

内容的には紙主体からデジタル化へ移行したいのが
理解できます。

議事録作成は私も担当していたことがありますが想像以上に
労力がかかる仕事です。
これは自動化が普及してきているので生産性は必ず向上する
でしょう。

厚生労働省改革若手チーム
厚生労働省改革若手チーム
厚生労働省改革若手チーム

人事制度

人事制度については、能力と意欲を発揮できる人事制度を
提言しています。

具体的には
・評価制度、フィードバックを
・キャリアアドバイス、1on1ミーティング、ランチ会実施
などがあげられています。

他にも
・抜擢人事
・人事交流、転籍の推進
があげれており、現状は硬直化した組織であることがわかります。

厚生労働省改革若手チーム
厚生労働省改革若手チーム
厚生労働省改革若手チーム

オフィス環境の改善

最後はオフィス環境の改善提言。
現状のオフィス環境は
・とにかく暑い!
・とにかく暗い!
・とにかく狭い!
という状況。

エアコン最適稼働へ、照明を明るく、空間のゆとり創出と
解決策提言がされていますが、それほどまでに劣悪な状況だと
察します。

厚生労働省改革若手チーム
厚生労働省改革若手チーム

まとめ

そもそも働き方改革を進める厚生労働省が働く環境を
実現することが普通であり当たり前です。

しかし、現状はそうでないようです。
今までこうした情報はあまり表に出ていないのではないでしょうか。
夏にこの緊急提言が公開されていますがメディアで見た記憶が
ありません。
大きく取り上げられることもなかったのでしょう。

今回の提言内容は、現状→課題→具体的提言、とセオリー通りの
内容になっています。
こうした流れでひとつひとつが実現できるかが、組織の実力です。
厚生労働省の職員の方々は高学歴の方ばかり。
頭ではわかっているのではないでしょうか。
それが組織になると実現しない、という事実があるだけです。
これは企業も同様。
個人の能力が高くても組織では実現しないことがある、という
現象は頭から離さないようにしておきたいところです。