fjconsultants Blog:4,497投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆

着席ボタンをクリックする

テレワークで仕事をしているスタッフが見えない、という悩みが増えています。
オフィスで一緒に仕事をしているときは仕事をしている姿を確認することができる。
しかし、テレワークだと見えない。
見えないと不安になる。
リーダーの心理が揺れ動いています。

『テレワーク 働きぶりの“見える化” 導入広がる』

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200424/k10012404611000.html

そんな中、テレワーク時の仕事ぶりを確認する仕組みが導入されています。
たとえば、パソコンを開いて仕事をスタートするとき
『着席する』
ボタンをクリックする。
そうすれば、仕事開始となる。
パソコンから離れるときは『退席』ボタンをクリック。
休憩も秒単位で計測できる仕組みです。

さらに、仕事している状況をランダムに写真撮影しリーダーに送付される仕組みまで備えているようです。
リーダーは、その写真を見て仕事している状況を確認。
安心しているのでしょう。

telework

どこまで確認が必要か

上記のようなテレワークの仕事状況を把握したいというリーダーの心理。
これは、裏を返せば『仕事の結果だけでは判断できない』と言っているようにも聞こえます。

テレワーク(在宅勤務)が主になれば、仕事は結果のみで判断されるようになります。
プロセスは一切評価できないからです。

ただ、リーダーの中には『プロセス評価もしたい』という要望も大きいのは事実。
そのため、こうしたテレワークの見える化の要望が出てくるのです。
そこに対応した『テレワークの見える化』サービスもこれから増えていくでしょう。

他社の事例の中にもテレワークの仕事中はパソコンのカメラをずっとONにしている会社もあります。
オフィスにいたときと同じように隣に人がいる雰囲気をオンラインで感じられるようにするためです。

ただ、スタッフ側の心理を考えると見える化も限度があるように感じます。

仕事の評価ができることが優先

テレワークの見える化の課題は、根本的な問題は別のところにあります。
スタッフが仕事をしているかどうか、ではなく仕事の評価を正確にできないリーダー側に問題があるのです。

テレワークによって仕事の評価ができないのであれば、過去のオフィスでの仕事評価も精度が高くなかったわけです。
評価の基準が明確ではなかった。
評価内容をはっきりしていなかったのです。

その評価基準の明確化を解決せずに、テレワークの見える化だけを進めると歪みが出てきます。
スタッフ側のストレスが増大。
休職者も出てくるのではないでしょうか。

スタッフ側から見れば、監視されているようにしか見えません。
もしくは、仕事ぶりを信用されていない、と感じるでしょう。
これでは本末転倒です。

まとめ

結論から言えば、テレワーク主体の人に関しては、結果による評価比重を高めていくことです。
プロセスは見える化する必要はさほど感じません。
プロセスの見える化のための時間は無駄に感じます。
それより信頼して任せて仕事の結果を評価していく。
それが仕事のあるべき姿だと思います。

というのもオフィスで働いている場合でも、リーダーによっては拠点を2つ、3つまとめなければならないときがあります。
そうなれば、常にスタッフを見ていることは不可能。
テレワークでなくても、もともと物理的に無理なのです。

また、同じオフィスにいて仕事ぶりを見ていても稼働率まではわかりません。
仕事している内容が正しいのか、まったく違うことをしているのかは見分けがつきません。
特にパソコンで仕事をする場合は、よくわからないのが現実なのです。

上記のことを考えると、テレワークで仕事ぶりが見えないという問題は、仕事結果による評価基準を設けることで解決します。
テレワークをする、しないに関わらず必須な部分だとあらためて感じます。