納期はどこまで延びる?

「納期はどのくらい?」
「どこまで納期が延びてますか?」
という会話に慣れてしまっています。調達が遅れているからです。しかも、特定の部品だけ遅れるだけなのに製品が完成せず納期が延期していく。去年から続いていることが改善されていないのです。

業界によって違いはありますが、納期が遅れるということは仕掛かり品が増えていきます。在庫増です。ある部品だけ入ってこないと、製造の場合は休業するしかありません。工場を稼働させたところで途中の仕掛かり品が増えていくだけで問題が解決せず、問題が肥大してしまうからです。

その原因を様々な面から問われるようになりました。

在庫少ない方がいいは本当か?

日本の製造業は在庫なしのリアルタイム製造。部品もメーカーから仕入れますが究極のミニマム在庫でやってきました。在庫が少ないことが善だったのです。「とりあえず在庫を減らしましょう」とアドバイスされた方もいるのではないでしょうか。

だいぶ以前の話ですが、製造業のメーカー社長から直接言われたことがあります。「在庫には良い在庫、わるい在庫がある」と明確に言われました。意味としては、切らしてはいけない在庫は確保しておくのが優先なのです。過多であっても良い在庫になるのです。

自分たちの製品と同じ製品を他社が製造している場合は問題が少ないですが、他では一切つくっていない製品の場合は切らすことができないのです。または、短納期で納める必要がある製品は絶対に欠品してはいけないのです。

「持たざる経営」曲がり角 国内増産、世界の半分以下:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1044I0Q2A610C2000000/

過多から収益になる可能性も

在庫の量は正解がありません。ある意味、その企業の投資戦略にもなるからです。劣化しない製品や部品、在庫として長期在庫できる製品の中で、他社が供給できないものは在庫量を増やしておくことも戦略のひとつです。資金的な余裕がなければ選択できない戦略ですが、インフレになれば収益の可能性が上昇します。他社が欠品すれば新規顧客が増える可能性も高いのです。

まとめ

余裕率を予測するとき、ひとつの指標があります。どこまで不足するのか読めないときは、2倍まで積み上げておく。余裕率をそこまで見込んでおくのです。ギリギリを狙わず、あえて余裕を大きく取っておく。その選択ができれば他社より先に行くことができます。ただ、不足しそうな人気のある製品や部品に限ってのことです。売れない在庫が積み上がるのは単なる危険。意味がありません。冷静な判断が求められる部分だと感じます。

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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,926投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆