振り返るとわかること

雪国から電車に乗り1時間経つと雪のない世界になるときがあります。ワープした感覚。日本は狭いですが表情の豊かさは広大さを感じます。この時期になると1年間の写真を見返します。毎年3,000〜5,000枚程度になり、そこには今年2022年伺った場所が記録されており、移動した記憶をたどります。今年ほど、エリアごとの感覚の差を感じた年はありません。同じタイミングで各エリアに行っても正反対の反応だったことが多いからです。

伝達しない

日本は都心部から地方へと伝達していく流れが一般的。新製品の普及もその流れで広がっていきます。伝達のスピードを常に気にしてきました。どの程度のスピードなのか確認するのを優先としてきました。なので、はっきりとわかるのですが今年2022年に限ってはいつもと違うのです。都心部からの伝達が分断された感じ。エリアごとに判断しているのです。もしくは、他のエリアのことより、自分たちのエリアのことが最優先。他が目に入らない状態なのです。こんな感覚は初めてです。

今後はどうなる

今後のことを考えてみると次のようなことが導き出されます。

  • エリアごとの対応が増える(ローカリゼーション、ローカライゼーション:地域化)
  • 画一性が薄れる(独自性が増加)
  • 価値観多様化

もし今後もこの傾向が増長されるならば対応を迫られる企業も出てくるでしょう。

まとめ

日本の地方都市は画一化された世界があります。特に新しくつくられたバイパス道路沿いの小売店、飲食店は全国フランチャイズの店舗ばかり。どこに行っても同じ風景を見るのです。これはかなり特殊な世界。これが成立したのも全国共通の価値観の存在が根底にあったからだと考えています。特にTVやラジオ、新聞、雑誌の影響は大きかった。同じ内容を見る人が全国にいたのです。

今もその環境は続いていますが、今後は画一化が少しずつ崩れていくでしょう。全国チェーン店もローカライゼーションと称して、エリアごとに特色を出したり、権限移譲の比率を高めていくことになるでしょう。

ものづくりに関しても地域対応が必要になってくるのかもしれません。自動車では雪国仕様がありますが、機能面以外でも地域化が求められてくるのかもしれません。それも今後の価値観変化の幅によると思います。どちらにしても目が離せないと感じます。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆