新しい傾向

様々なところで、情報発信をしていると、最近は新しい傾向があります。それは何かといえば、学生の方が起業したいと言ってくるのです。大学生に限らず、高校生からも質問が来ます。2022年の秋ごろからその現象が起こっているといると感じます。どうして学生は起業を考えるのでしょうか。

起業が身近に

1つには、起業家が動画配信で成功した姿を見せていることが要因です。成功者を見れば、あのようになりたいと思う人が増えるのです。もうひとつは、自分のやりたいことを世の中に広めたいと気持ちから、起業という選択肢を検討したいと思っているのでしょう。中には、自然環境問題を解決するために、起業を考えている人もいます。実際に行動し、環境問題の解決に取り組み始めています。起業のイメージが身近になったと感じています。

学校では学べない

学校は学問を学ぶところであり、ビジネスを学ぶ場所ではありません。そのため、ビジネスに関心がある人たちは、外に情報を求める傾向にあります。ウェブ上にはビジネスを学ぶ情報は大量にあるのですが、日本語の情報は限定的です。そのため偏った情報に影響されていることも見受けられます。

学生の時からビジネスに関心があるのであれば、経験値を高めるためにもスタートしておいた方が良いと考えています。お金を扱うことに抵抗がある大人もいますが、こどもたちが大人になれば、お金と向き合わなければなりません。単にスタートが早いか遅いかだけなのであまり気にすることはないと考えています。

アドバイスは

学生の方へのアドバイスは、基本的には「邪魔をしないこと」だと考えています。可能性は無限にあり、ビジネスをスタートさせるのに障壁はほとんどありません。ウェブにつながっていれば、コストをかけずにビジネスを展開することが可能です。時間はかかるかもしれませんが、人に伝えていくことは誰でもできることです。AIの出現で新しいビジネスも生まれることでしょう。過去の成功体験も価値が半減するのは見えています。なので可能性をつぶさないようにすることが優先です。

就職は

学校を卒業したら、就職するのかしないのかが問題になることはありますが、就職した方が良いとアドバイスしています。組織を経験しておくことと、年代が違う方とコミニケーションをする経験が得られるからです。これらは起業して場合に得ることができません。人間関係を経験したり、人間関係を調整したりすることには、実は今後は大きな価値があると考えています。なので、就職することには意味があり、得られることが大きいと考えています。

まとめ

働いている人が独立の相談に来られるとき、やめたほうがいいと否定しています。現状の環境が嫌で逃げたいがために独立したいと言っているのを確認するためです。独立はリスクなのでいきなりするものではありません。1人の環境でモチベーションを保ち、仕事をし続けるには、強靭なメンタリティーが求められるからです。普通のメンタリティーでは継続できません。途中で自ら潰れていく事例を何度も見ています。ただビジネスに慣れ親しむために学生のうちからビジネスを経験しておくのはプラスだと思っています。矛盾しているように見えますが、現実の厳しさを知っているとこのような判断になります。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆