技術継承

技術承継の課題は企業規模に関わらず直近の問題化になっています。整備不良や仕事中の事故が増えていると感じるのはそのせいでしょうか。技術が伝承されておらず、不良や事故が発生しているケースはどの程度あるのでしょうか。こうした技術承継をするとき、「ノウハウは承継できない」と言われてしまい、現場では困ることもあると思います。

そんなとき、技術を分析して、継承できるような形にしてあげることは有効です。技術を段階に分けてあげることが方法のひとつで、有効だと考えています。技術を段階に分けて考える手法があるので取り上げてみます。

成熟度レベル5段階

次のような五段階で考える手法があります。解説を読んでも具体的事例がなければ想像できないかもしれません。ただ、技術を段階で分けるという考え方があることを知っておくのは有益です。

5:レベル5積極的および日和見的な改善活動の両方が、組織の現在の能力とビジネス目標を達成するために必要な能力との間のギャップを埋めることができる革新を模索します
4:レベル4予測可能標準プロセスによって有効になる機能が利用され、作業単位に戻されます。プロセスのパフォーマンスはワークフロー全体で統計的に管理され、変動を理解して制御するため、中間状態からプロセスの結果を予測できます
3:レベル3 標準化ワークグループで特定されたベストプラクティスから共通の標準プロセスが合成され、さまざまなビジネスニーズをサポートするために調整ガイドラインが提供されます。標準プロセスは、規模の経済性と、共通の尺度や経験から学ぶための基盤を提供します
2:レベル2管理対象管理者は、ローカル作業単位内の作業を安定させ、ワークグループの主な約束を満たす反復可能な方法で作業を実行できるようにします。ただし、同様のタスクを実行する作業単位では、異なる手順が使用される場合があります
1:レベル1 初期ビジネスプロセスが一貫性のない、時には場当たり的な方法で実行され、その結果は予測が困難です
http://www.omg.org/spec/BPMM/1.0/PDF

BPMM
Business Process Maturity Model
(ビジネス・プロセス成熟度モデル)

http://www.omg.org/spec/BPMM/1.0/PDF

技術継承という市場

技術継承を支えるツール類が数多く出始めました。マニュアル化という市場が移行しているように感じます。技術継承という市場ができあがりつつあるのです。技術が継承できないかもしれない、というマイナス点を補ってくれる支援ツールなので、今後も拡大していくでしょう。

まとめ

単に動画で残すだけでは技術は継承できません。見ているだけではわからない領域があるからです。そこにノウハウがあるのです。このノウハウを、言語化することで継承できる領域に入ってきます。そのときに、フレームワークがあるとつくりやすいのです。いくつかフレームワークはありますが、今回は5段階の内容をお伝えしました。段階的に分けることは誰でもできることなので、試してみる価値はあります。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳