面倒な注文は断るべきか
営業の原則として、よく言われることがあります。
・得意分野に集中しろ
・利益率の低い仕事は受けるな
・面倒な案件は断れ
といった内容です。
一見すると正しい。限られたリソースを無駄遣いしないための合理的な判断。
でも、この「常識」を忠実に守った結果、何が起きるのでしょうか。
・同業他社と同じ仕事しか残らない
・価格競争に巻き込まれる
といった状態になってしまう。平均的な企業になってしまうのです。現在の能力でできる仕事しか受注しなくなり、結局のところ成長しない組織となってしまいます。
面倒を引き受ける
そんな常識の逆を行くユニークな集団が京都にあります。 50数社のものづくり企業が結集した「京都試作ネット」です。
・2001年にたった10社でスタート
・今では50社超の集団
・試作開発の相談件数は累計8,000件を突破
という集まりです。
コンセプトは、
・「変な客こそ、本命」
です。
普通の会社なら「面倒だから」と断るような試作依頼を、あえて引き受ける。一社でできなければ、ネットワーク内の別の会社が補う。この「断らない仕組み」が、ただの下請けから「開発パートナー」へと押し上げたのです。この発想、とても理解できます。
他が断る仕事をクリアできれば、それが差別化になります。簡単でおいしい仕事は残っていないのが普通。そこから考えれば、面倒で難題な仕事にこそチャンスがあるという発想になります。
「断らない仕組み」は一社では作れない
この集団、いくつかの特徴があります。たとえば、
・2時間レスポンス
を約束しています。問い合わせしたら、2時間以内にレスポンスを返しているのです。また、仕事の内容に関しては
・基本断らない
のです。そのために、50社超のネットワークを作り上げてきたのです。理念として
・開発者に期待を超える試作品をどこよりも速く提供する
・試作発注者の手間を省く
を掲げており、真摯な姿勢を感じます。
まとめ
無理難題、とんでもなく時間がかかる、といった仕事を全部引き受けることは1社では不可能でしょう。しかし、その中から、ひとつでも可能性を追求し、予想しない成果が出たときにブレークスルーすると考えています。答えが出ない時期が長くても、解決に向けて取り組む。今回の京都試作ネットの場合なら、試作をつくり続けることがブレークスルーにつながっているのです。同じようなことはどの企業でもできると思います。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆
