日本一健全だったのに何が起きたのか

稚内信用金庫が、信金中央金庫からおよそ200億円の資本支援を受けることになりました。理由は、保有する国債の評価損が膨らんだからです。報道によれば、その評価損は、639億円。自己資本が534億円なので、自己資本以上の評価損を抱えたことになります。

保有していた国債は
・30年国債
・規模:1,000億円
と報道されています。

もともとこの信用金庫は自己資本比率60%超という安定した金融機関。自己資本比率では国内信金トップだったのです。信金のwebから資料を読み解いてみると
・不良債権:4.5%
しかなく、正常債権が95%となっていました。不良債権の「14倍以上の備えがある」と記述されています。

自己資本を増やして

今回の評価損についても、
・評価損の大半は満期まで持てば全額償還される日本国債によるもの
・通常業務に影響は出ない
と述べています。

でも、200億円は必要。200億円の資本支援を受けると
・資本合計734億円
となり、評価損の
・639億円
を上回ることができます。そのための支援になるのです。

リスクは予測されていた

金融機関の抱える国債の評価損は前から指摘されていました。金利の上昇が続いているので、評価損が大きくなっているのです。その中から、今回のように
・支援
が必要なところが出てきたので、次の段階に入った感じがします。

今後も金利上昇の流れになっていくと予想されるので、さらに別の金融機関へ支援が必要になるのかもしれません。それにしても、健全といされた金融機関が評価損で支援を受けるのは意外でもあり、以前なら想像もできなかったでしょう。

3兆円超になっている現状

現在、信用金庫業界全体の債券含み損は、
・3兆円超(2026年3月期決算時)
となっています。

それ以降も金利は上昇しているので、さらに含み損が拡大しているのは事実でしょう。この数値は速報値として出てくることがないので、後からわかる内容。金利の動きを見て、予測するしかありません。

まとめ

金融機関の動向は、金融庁が把握しています。このような資本支援の情報も、パニックを引き起こすこともあるので、注意深く取り扱われています。ただ、ある程度の状況は理解しておきたいと考えています。

国債の30年など超長期債を所有している場合、評価損が大きくなると損切りできない状況が続き、さらに評価損が拡大することも想定できるからです。現在、日銀は金利を上げるタイミングを見計らっています。そう考えると、金融機関の国債評価損問題はさらに大きくなることも予想できると思います。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆

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