固定概念の形成

脳科学の研究によると、固定概念は脳の情報処理において重要な役割を果たしていることがわかってきました。何かを理解し、それについて考える際には、固定概念を持つには理由があったのです。もし固定概念がなければ、脳の中で行われている情報処理は常にパンクし、未処理の状態になってしまうからです。

非効率だから

脳というのは、とても非効率でエネルギーを消費するところです。脳を稼働させるほど、エネルギーが不足してしまうのです。それを防ぐ機能がいくつか備わっていますが、そのひとつが固定概念を持つことなのです。

固定概念とは、ある事物や概念についての一般的な理解や想像を指します。たとえば、年齢によって活動的かどうかを決めつけてしまったりしています。ある意味、偏見を持つのも同じ状態です。10代は・・・だ、20代は・・・である、と決めつけることです。これにより、他の情報を処理する必要がなくなり、スムーズに情報処理できるのです。

素早い答え

固定概念は、答えを導くときに素早く回答を出すときに有益です。たとえば、5人の同じ年齢の人がいた場合、このグループにはどのような傾向があるのかが、予想できるのです。単なる思い込みかもしれませんが、素早く「・・・という傾向がある」と導き出せるのです。これを偏見、バイアスという言葉で表現することがあります。どれも内容は同じような現象です。

真の回答には

しかしながら、固定概念には注意が必要。固定概念は一般化されたイメージや理解ですので、必ずしも個々の事例に当てはまるわけではありません。最適な答えが出せないこともあるのです。固定概念に固執すればするほど、真の回答には到達しない。見誤ることもあるでしょう。このマイナス点は避けることができません。

使い分け

こうした固定概念、偏見に対するプラス面、マイナス面を知っておけば使い分けができるでしょう。素早い答えを導くプロセスも有効な場面もあります。しかし、素早い答えの後に、見誤っていないのか、確認するプロセスも大事でしょう。

まとめ

固定概念は固定されているので、簡単には外れません。しかし、固定概念によってマイナス点もあるならば、定期的に更新する、上書きする必要があるでしょう。特に、年代別の傾向は新たな性質を増やし続けるのが正解のように感じます。自分が持っている概念の中で固定されている内容を知っておくだけでも効果がありそうです。

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